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【FP花園メルマガ】<2023年12月20日号> 財産を「遺贈する」旨の遺言

2023/12/20  【メルマガ一覧へ戻る

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おはようございます、澤田です。

遺言には「A銀行の預貯金を●●に遺贈する」「財産の2分の1を○○に遺贈する」等、
  財産を「遺贈する」旨を記載する方法があります。

今回はそもそも「遺贈」とは何か、また遺贈にはどのような種類があるのか、
財産を遺贈する場合の注意点等をお伝えします。

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財産を「遺贈する」旨の遺言
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■遺贈とは

遺贈とは、遺言によって自身の財産の全部または一部を無償で処分(譲渡・贈与)
することを言い、遺贈は遺言者が死亡した時に初めて効力を発生することになり
ます。

民法
(包括遺贈及び特定遺贈)
第九百六十四条 遺言者は、包括又は特定の名義で、その財産の全部又は一部を
処分することができる。

遺贈については相続人、又は相続人以外の人にも行うことができます。

ただし実際には、相続人に対して財産を遺す場合には「相続させる」旨の遺言を
作成することになります。これに対して相続人以外に財産を取得させたい場合には
「相続させる」旨の遺言を行うことができないため、
「遺贈する」旨の遺言を作成することになります。

このように、特段の事情がある場合を除き「遺贈する」旨の遺言は、
相続人以外に対して財産を遺したい場合に作成することになります。


■遺贈には2種類ある

上記民法の条文にもある通り、遺贈には「包括遺贈」と「特定遺贈」がありますが。
次にそれぞれの遺贈について概要や違い等をお伝えします。

・包括遺贈
包括遺贈は特定の財産を指定することなく、「財産の3分の1を○○に遺贈する」等、
財産の割合を指定して処分する遺言を遺す方法です。
包括遺贈を受けた者(受遺者)は預貯金・不動産等の財産の他、債務等のマイナスの
財産もその割合分だけ「包括的に」相続することになります。

そのため相続人と同様に「限定承認」「相続放棄」を行うことができますが、
こちらも相続放棄等同様に「自己のために相続の開始があったことを知ったときから
3か月以内」に家庭裁判所に申述を行う必要があります。

また包括遺贈の受遺者がいる場合には、相続人はその受遺者との間で遺産分割協議を
行う必要があります。
従って受遺者が財産の名義変更等を行う場合には、相続人全員の書類等が必要となる
ため、遺産分割協議の進行度合いによっては財産の取得に時間がかかることが考えら
れます。

・特定遺贈
特定遺贈はその名の通り、「Aの土地・建物を●●に遺贈する」等、
特定の財産を遺贈によって受遺者に取得させる方法となります。

こちらは財産が特定されているため、包括遺贈のように遺産分割協議の必要はありま
せん。特定遺贈の放棄についての期限もありませんが、相続人やその他の利害関係人
から遺贈の承認または放棄についての期限を求められた場合には、
その期間に意思表示を行うことになり、意思表示をしない場合には遺贈を承認したも
のとみなされます。

民法
(受遺者に対する遺贈の承認又は放棄の催告)
第九百八十七条 遺贈義務者その他の利害関係人は、受遺者に対し、相当の期間を
定めて、その期間内に遺贈の承認又は放棄をすべき旨の催告をすることができる。

この場合において、受遺者がその期間内に遺贈義務者に対してその意思を表示しない
ときは、遺贈を承認したものとみなす。

■遺贈をする場合の注意点

このように遺贈には遺言の方法によって種類が分かれることになります。
主に相続人でない人に財産を渡したい場合に活用できますが、
遺贈を行う場合にも注意点がありますので以下にお伝えします。

まずは相続と同様に、他の相続人の「遺留分」に配慮した遺贈を行う必要がある。
他の相続人の遺留分額を侵害した場合には、その分の金銭を支払わなければならない
ため、この点に留意が必要です。

また包括遺贈の場合、他の相続人との遺産分割協議が必要となるため、
特定の財産を渡したいことが決まっている場合には特定遺贈にて遺言を遺しておいた
ほうが受遺者にとっても有益になる可能性が高くなります。

さらに遺言執行者を遺言にて指定しておけば、相続発生後に遺言の内容がスムーズに
執行される可能性が高くなるため、遺贈する旨の遺言を遺す場合には検討しても良い点
です。

このように相続人以外に財産を渡す旨を遺せる遺贈であるが、
通常の相続と同様に他の相続人に配慮した内容とすることが必要となります。

 

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