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おはようございます、澤田です。
胎児(お腹の中にいる赤ちゃん)は相続人になるのか
あまり考えたくないケースですが、
不幸にして妻と胎児(お腹にいる赤ちゃん)を残して夫が亡くなった場合、
妻は夫の相続人となりますが、胎児は相続人となるのでしょうか。
今回は胎児と相続についてお伝えします。
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胎児(お腹の中にいる赤ちゃん)は相続人になるのか
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■民法上の規定
通常の相続の場合も同様ですが、民法上と税法上では相続に関する取り扱いが
違う場合があります。はじめに、民法上の相続に関する胎児の規定をお伝えします。
民法 第一節 権利能力
第三条 私権の享有は、出生に始まる。
民法では相続権をはじめとする様々な権利は出生によって始まるとされています。
ただし胎児については、民法の別の条文で次のように定められています。
(相続に関する胎児の権利能力)
第八百八十六条 胎児は、相続については、既に生まれたものとみなす。
2 前項の規定は、胎児が死体で生まれたときは、適用しない。
つまり民法では、胎児は既に生まれたものとしてみなされ相続人となります。
ただし、こちらも不幸にして死産の場合には、相続人とはならないとされています。
胎児が出生直後に亡くなった場合にも相続人となり、法律上は父親の財産を相続
することができ、その後に出生直後に亡くなった胎児の相続が開始します。
このように民ぽ上は、胎児がいるか、無事に出生をしたか、死産をしてしまったか、
によって相続人の人数が変わってくることになります。
■相続税法上の規定
それに対して税法上の規定は民法上の規定と異なります。
相続税法上の胎児の規定・取り扱いは次のように定められています。
法令解釈通達 第27条《相続税の申告書》関係
(胎児が生まれる前における共同相続人の相続分)
11の2-3 相続人のうちに民法第886条(相続に関する胎児の権利能力)の規定により
既に生まれたものとみなされる胎児がある場合で、相続税の申告書提出の時
(更正又は決定をする時を含む。)においてまだその胎児が生まれていないときは、
その胎児がいないものとした場合における各相続人の相続分によって課税価格を
計算することに取り扱うものとする。
つまり相続税法上は、胎児は生まれていないものとみなして相続税の課税価格を
計算することとなっています。
ただし、胎児の出生前と出生後では相続人の人数が変わるため、
一度相続税の申告書を提出した場合には、修正申告または更正の請求を行うことが
できるとしています(相続税法32条)。
(胎児がある場合の申告期限の延長)
27-6 相続開始の時に相続人となるべき胎児があり、
かつ、相続税の申告書の提出期限までに生まれない場合においては、
当該胎児がないものとして相続税の申告書を提出することになるのであるが、
当該胎児が生まれたものとして課税価格及び相続税額を計算した場合において、
相続又は遺贈により財産を取得したすべての者が相続税の申告書を提出する義務が
なくなるときは、これらの事実は、通則法基本通達(徴収部関係)の「第11条関係」
の「1(災害その他やむを得ない理由)の(3)」に該当するものとして、
当該胎児以外の相続人その他の者に係る相続税の申告書の提出期限は、これらの者の
申請に基づき、当該胎児の生まれた日後2月の範囲内で延長することができるものとして
取り扱うものとする。
さらに、まだ胎児が生まれていない時点で、胎児が生まれたものとして相続税額等を
計算した場合に、相続税の申告書の提出が不要となる場合には、
申請をすることで申告書の提出期限を、胎児が出生してから2か月の範囲内で延長
できるとしています。
■遺産分割や相続手続きをする際の注意点
このように、民法上と税法上では胎児に関する規定等が異なり、
遺産分割や納税額等に影響が出るケースも考えられます。
相続税の申告には期限がありますのが、遺産分割や財産の名義変更については
期限が無く胎児が実際に財産を取得するのは出生後となりますので、
もしこのようなケースに該当してしまった場合には、税務上の手続きは期限内に行い
法律上の手続きは出生後に行う等、状況に応じて手続きを進めていく事が必要となり
ます。
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