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最近よく見かける新聞やTVCMの死亡保障について 【FP花園メルマガ】<2021年4月28日号>

2021/4/28  【メルマガ一覧へ戻る

千葉本店の宮本です。

最近、新聞を見ていると保険会社の死亡保障の広告をよく見ます。

月々数百円の保険料でお葬式代が準備できるといったキャッチ―な
見出しがついています。

今日は広告でよく見る掛捨ての死亡保険について書いてみたいと思います。

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最近よく見かける新聞やTVCMの死亡保障について
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85歳まで申し込める

手ごろな保険料の死亡保険

99歳まで保障を継続可能!

生活に無理なく、”もしも”に備えませんか?


「お葬式代くらいは、自分で用意したい」とお考えのあなたに!


●●ほけんなら

例えば、54歳の女性の場合 月々480円で100万円の備えができる!

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こんな広告内容です。

この広告に出てくる保険会社ですが、
生命保険会社や損害保険会社が出しているものではなく、
少額短期保険が取り扱っているものになります。


少額短期保険会社とは、

保険金額が少額かつ保険期間が短期の保険引受けを行う
平成18年4月に保険業法の改正で認められた新しい形態の保険会社です。

引受できる保険金額には上限があり、
死亡保険については300万円以下までとなります。


この例に出している少額短期保険の保険の場合には、保険期間は1年。

保険料は5歳刻みで変わります。

99歳まで継続は可能ですが、新規に加入できるのは89歳までとなっています。

54歳時では月の保険料が480円と安いですが
この保険料でいつまで保障をしてくれるのか調べてみました。


広告の見出しにも書いてあるように、
99歳までは継続できますが保険料は5歳刻みで上昇していきます。

 

保険金額 100万円の場合 200万円の場合

50~54歳まで   480円 960円

55~59歳まで   590円 1,180円

60~64歳まで   780円 1,550円

65~69歳まで 1,080円 2,160円

70~74歳まで 1,620円 3,240円

75~79歳まで 2,750円 5,500円

80~84歳まで 5,380円 10,760円

85~89歳まで 10,910円 21,820円


この保険料は今の保険料率の計算なので、将来の保険料は変わる可能性がありますが
今と同じ料率で計算した場合にはこのような保険料の推移となります。

また54歳で加入して89歳まで継続加入した場合は、

保険金額100万円だと総額保険料で1,392,360円。

保険金額200万円だと総額保険料 2,784,120円

となり、どちらの場合も受け取る保険金よりも支払保険料総額の方が上回ることになります。

支払った保険料と受け取れる保険金100万円、200万円の損益分岐点になる年齢を計算すると
どちらも86歳となります。

つまり86歳までに亡くなると支払った保険料に対して保険金の方が受取額が多くなる。

86歳以上になると、受け取る保険金よりも支払った保険料の方が多くなることになります。


ちなみに令和元年の54歳女性の平均余命は88歳となり、
この保険の86歳の損益分岐点年齢よりも上の年齢になります。

人は何時亡くなるなんてことは分かりませんが、
生命表の上では88歳まで生きた場合には受け取る保険金額よりも支払う保険料の方が多いと
思っておけば良いでしょう。


平均余命についてもう少し掘り下げてみます。

54歳の女性が88歳までの生存率は61.4%となります。

10人54歳の女性がいれば、6人は88歳まで生きるという事ですね。

保険金と支払保険料累計の損益分岐点である86歳で見ると、54歳の女性の生存率は68.9%

10人の54歳の女性がいれば、約7人は生きていることになります。

 

●掛捨ての保険に加入するときは割り切ることが大事

この新聞広告ではお葬式代を意識した案内でした。

54歳だと今が健康であればお葬式というとまだまだ先の事に感じるのではないでしょうか。

私の個人的な感覚になりますが、今が54歳であればやはり平均余命の年齢である80歳以上を
何となくイメージすると思います。

25~30年くらい先の事として捉えると思いますが、
こうした保険を考えるときには

「今は現金はないから、この期間だけこれくらいの保険料負担で準備できればまぁ良いか」

と割り切って加入する感覚を持つことが大切だと思います。


仮に65歳くらいまでは働ける環境にあり、
その間に葬儀代くらいの保険金100万円が欲しいというのであれば、
65歳までの総額支払い保険料は304,920円となります。


ちなみに54歳女性の65歳までの生存率は96.9%となり、
100人いれば約97人は生きているわけですから死亡発生確率3%のために加入するべきかどうか
判断するといったことを考えても良いかもしれませんね。

「生きていた場合には304,920円が無駄になる!」

という感じになるのであれば、止めておいた方が良いかもしれません。

 

●掛捨てでも色々なタイプの保険がある

同じ保険期間(89歳)をもっと安い保険料で備えることができないのか調べてみました。

ここでは▲▲生命を例にし計算してみます。


最低加入保険金額が200万円からなので、保険金額200万円にて比較します。


女性 54歳~89歳 月額保険料 2,004円

54歳から89歳までの36年間加入をした場合の総額保険料は841,680円になります。


少額短期保険会社の保険金額200万円の総額保険料が2,784,120円ですから
89歳までの保険料総額で比較すると、3.3倍以上になります。

保険金額100万円でも保険料総額が1,392,360円なので89歳まで保険料をかけ続けた
場合には、▲▲生命で保険金額200万円をかけ続けた方が総額保険料は低くなります。

なので加入時点で89歳までは保障が必要と考え、
2,004円なら89歳まで続けたとしても年金で支払うことができることが想像できれば、
現時点での保険料は高くてもこちらを選択することも有り、ということになります。


●自分の考えていることに近い保険を選ぶことが大切

一口に掛捨ての保険といっても、色々なタイプの保険があります。

同じ保険金額を準備しようと思っても、今回の様に保険期間の設定を変えるだけで
目先の保険料と払込期間終了までの保険料総額が変わってくることになります。

保険を選択するときには、自分のライフプランに近いものを選ぶようにしたいですね。

 

 

 

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