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おはようございます、宮本です。
9月ももう終わりに近づき、今年も残り10、11、12と残り3か月ですね。
気候もだいぶ涼しくなりだいぶ過ごしやすくなりました。
台風が発生する時期となっていますが、
千葉の房総地域に行くと、2年前（令和元年）の台風被害でいまだに
ブルーシートで屋根を覆っている家を散見することがあります。
大きな災害に繋がらないように祈るばかりです。
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相続分割の選択肢が増えたのを知っていますか？
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■ 配偶者居住権って何？
令和2年4月1日以降に発生した相続から認められた新しい権利です。
夫婦の一方が亡くなった場合に、残された配偶者が亡くなった人が所有していた
建物に、亡くなるまでもしくは一定の期間、無償で居住することができる権利の
事を言います。
建物の価値を
所有権
と
居住権
に分けて、残された配偶者は建物の所有権を持っていなくても、居住権を取得する
ことで、亡くなった人が所有していた建物に引き続き住み続けられるようにした
ものとなります。
なので、「配偶者」という言葉が入るくらいですから子供や親、兄弟には関係ない
権利ですね。
■ 配偶者居住権の成立要件
配偶者居住権が成立するためには以下の１～３の要件を満たすことが必要です。
１．残された配偶者が、亡くなった人の法律上の配偶者であること
（内縁の妻や夫だとこの権利は利用できないことになります）
２．配偶者が、亡くなった人が所有していた建物に亡くなった時に居住していたこと
（籍は入っていても別居状態だった場合には注意が必要）
３．「遺産分割」、「遺贈」、「死因贈与」、「家庭裁判所の審判」
のいずれかにより配偶者居住権を取得した事
「遺産分割」については相続人間での話し合い
「遺贈」・「死因贈与」は配偶者居住権に関する遺言又は死因贈与契約書がある場合
「家庭裁判所の審判」の審判は「遺産分割」が整わない場合となります
なので、「配偶者居住権」という制度ができたといっても、
自動的に適用されるされるわけではないので注意が必要です。
■ 配偶者居住権は登記が必要
配偶者居住権は、成立条件を満たしていれば権利としては発生しています。
しかし、配偶者居住権を第三者に対抗するには登記が必要になります。
そして居住建物の所有者は、配偶者に対して配偶者居住権の登記を備えさせる義務を
追っています。
配偶者居住権の設定登記は配偶者（権利者）と居住建物の所有者（義務者）との共同申請
となります。
亡くなった人が、建物を配偶者以外（例えば子供）と共有していた場合には
配偶者居住権の対象とはなりません。
■ 現実的な話
配偶者居住権ができたことにより、この制度を上手に使い
相続が争族になるケースもだいぶ減らせることができるのではないかと期待しています。
自分（被相続人）が亡くなった後に家族間で遺産分割（特に残された配偶者の住むところ）
が少しでも気がかりのようであれば遺言書で配偶者に「配偶者居住権」を設定しておくことが
望ましいと思います。
「遺産分割での話し合いでもいいんじゃないの」
と考えていると、残された配偶者がその時に認知症になっていたりすると
この制度そのもの、というより遺産分割をする事自体が難しくなってしまいます。
よく相談業務をしていると、
「自分の死んだ後の事は残された家族が決めれば良いだ」
と言う人がいます。（結構多いです）
自分が亡くなった後の事を考えることが嫌な人もいると思いますが
残された家族が平穏に暮らしていくためにもしっかり対策をしておくことをお勧めします。
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